フットケアとは、足のケアに関する全体的な総称のことを指します。
看護師がフットケアの看護を行う目的は、足病変の予防・早期発見により患者の足の健康を保ち、快適な日常生活を送れるようにすることです。

フットケアの対象となるのは、糖尿病性足壊疽(えそ)、血流障害に伴う傷が治らないなど、持病由来で足に異変が起きていたり、ウオノメ・タコの潰瘍が治癒しないなど、足にトラブルを抱える患者です。

通常、足の小さな傷や皮膚の変化などを患者自身が医師に申し出ることはあまりありません。しかし、一見些細に見える症状も、足の疾患を持つ患者がそれを放置することで、取り返しのつかない症状へ進行することがあります。そして、症状が進行するにつれて治療は困難となり、最悪な場合、下肢の切断を余儀なくされるケースもあるのです。

人間にとって足は単に移動するためのものではなく、足を失ってしまった患者は、全ての活力を失ってしまう可能性すらあるでしょう。したがって、看護師の行うフットケアは足から全身の状態を診る、とても重要なケアの一つと言えます。

看護師が行うフットケアは、爪切り、タコ・ウオノメの処置から、保湿などのスキンケアや自身で行うフットケア方法の指導などです。その他にも、靴の選び方や扱い方の指導、足に優しい靴を扱っている店舗の紹介、義肢装具士の紹介まで、幅広い項目が含まれます。

また、フットケア看護は、看護師と患者の信頼感が深まったり、心をポジティブにして生活の質を高めるなど、精神面での効果も注目されています。